このブログではダイレクトマーケティング=効果測定可能なマーケティングについて扱っています。なので、イメージ広告のような効果測定不能なマーケティングの話はあまりしません。

ただ、ブランド構築はマーケティング上、重要な要素なのでイメージ広告のことも含めて書きたいと思います。


まず、そもそもブランドは広告によってのみ作られるものではありません。もしあなたがイメージ広告を書き、ブランドイメージに影響を与えたいと思っているなら、注意しなければいけないことがいくつかあります。
注意しなければいけないこと。それは、そもそもブランドは顧客に対するあらゆるメッセージから生み出されるということです。広告、商品、プライシング、従業員の態度から会社の理念まで、すべてが影響します。


たとえばホテルで「高品質のサービスを提供します」といくら広告で書いたところで、コンシェルジュの対応がそれに見合ったものでなければブランドは構築されません。また、コンシェルジュの対応がよかったとしても、食事の質や部屋の掃除、アメニティの準備なども含めて品質の高さを感じてもらわなければ、同様にブランドは構築されないでしょう。


つまり、ブランドを構築したいのならば広告はもちろん、商品も従業員も会社自身も、一貫性を持ってそれを体現しなければいけないのです。

また、自身の一挙手一投足がブランド構築に影響することを意識しなければいけないのです。
■ブランド構築がうまくいった企業

ブランド構築がうまくいった企業の典型がリッツカールトンでしょう。高級ホテルといえば、1,2番目に頭に浮かぶのがリッツカールトンです(見込み客の頭の中ですぐに思い出されるというのは非常に有利なこと)。


リッツカールトンはブランド構築にあたって、プライシングを高価格帯に完全にロックしました。その代わり、従業員にはあらゆる手を尽くして最高のサービスを提供することを求めたのです。従業員には「こんなことまでしてサービスを提供しなきゃいけないのか・・・」といったようなためらい、迷いは一切ありません。


すると、結果として価格が発するブランドメッセージと、サービスのクオリティが発するメッセージに整合性がとれてくるのです。社外だけでなく、社内にも「どんなブランドにしたいか」が明確になっているため、全社一丸で体現できます。


これを他の会社が真似ようとして、「最高のサービスを!」と言い出し、イメージ広告を出してもそううまくはいきません。プライシング、商品、今まで築いてきたイメージが「最高のサービス」というブランドを体現していなければ、従業員も混乱してしまいます。いくら接遇研修をしても、「うちの会社は本当にここまでサービスする必要があるのか?」と疑問を抱いてしまうのです。


イメージを広告だけで動かすことはできません。あらゆる顧客へのメッセージを方向転換させなければいけない。広告単体でどうにかする話ではなく、全社的な戦略レベルの話でなければいけないのです。



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    Yoshihiro Mashiyama

    広告、セールスプロモーション、コピーライティングなどを経験。リスティング、ウェブバナー、印刷広告、DM、FAXDM、メルマガなど、あらゆるダイレクトレスポンス媒体を用いてマーケティングを行う。

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