プライシングは難しいです。

 売る側としてはどうしても 「安くなきゃ売れない」と思ってしまうところがあります。

しかし、実際には安さが理由で売れるということはあまり多くないのです。 むしろ、安いがゆえに選ばれなかったり、高いから売れたりすることもあります。

今回はプライシングが与えるイメージと、 それを利用した利益向上の仕組みについてお伝えします。
さて、ところで日常でこんな印象を持ったことはないでしょうか。

 ・同じ効用の薬でも、高いもののほうが効果が高そうに思える (風邪薬、目薬)

 ・同じテーマのセミナーでも、高いものの方が内容が濃い

・同じテーマの本でも、高いもののほうがためになる

 ・高価な電子機器は性能が良い


上記のように、実際の効用の差はともかく、高いがゆえ買ってもらえる商品もあります。


 しかし

・高価なトイレットペーパー

・高級な天然水

・高級な消しゴム

これらが長期的に売れ続けるイメージはありません。実際に市場にもあまりないです。 (話題になって短期的に売れることはあるかもしれませんが)

なぜこういったことが起こるのでしょうか。


■費用対効果が予測できない

前者の商品は効用が金額に見合ったものか判断が難しいのです。 風邪薬を飲んだところで、効くか効かないかは予測が難しい。

セミナーも受けてみないとわからないですし、 本も読まないとわからない。

 電子機器はスペックの差を提示されても難解で判断できない。

こういった商品は、商品ごとの”効用の差”がわかりづらいのです。

同じSEOをテーマとしたAセミナーが1万円でBセミナーが1万5千円だったとしても、 AとBの効用の差がどれくらいか、それは金額差に見合った効用差なのか、どっちが得か損か、そんなことを合理的に予測できるかというと、それは不可能です。

だとすれば、「高いものは安いものよりは良いものだ」という(不合理な)原則に基づいて判断するしかないのです。もちろん、予算の関係上安いものが選ばれる可能性もあります。
しかし、こういった商品は価格弾力性が高いのです。


 ■日用品は効用が予測できてしまう

トイレットペーパーはどれを使ってもだいたい一緒。 水は味の違いはあれど、たかが水です。 消しゴムなんて綺麗に消えればよいので、無理に高いものを買う理由ありません。

これらの商品は効用の差が極めて少ないとわかってしまうのです。

それであれば、あえて高いものを買う理由はない。そこには合理的な判断が働きます。価格弾力性が少ないのです。


■高く売れるものを、安売りしていないか

つまり、あなたがもし、価格弾力性が高いタイプの商品を扱っているなら、 価格を上げてみるのは良い手段、ということです。値段を上げることによって利益率が上がるどころか、 「他の商品よりも効用が高いに違いない」と見込み客に思ってもらえるのです。

苦労して開発した商品を、安売りして「安かろう悪かろう」と判断されてしまうことほど 不幸なことはありません。 それくらい、価格が与えるイメージは重要なのです。

価格を上げるという判断はエネルギーを使うかもしれませんが、チャレンジしてみる価値があるこです。



Leave a Reply.

    Author

    Yoshihiro Mashiyama

    広告、セールスプロモーション、コピーライティングなどを経験。リスティング、ウェブバナー、印刷広告、DM、FAXDM、メルマガなど、あらゆるダイレクトレスポンス媒体を用いてマーケティングを行う。

    Archives

    November 2010
    October 2010
    September 2010
    August 2010
    July 2010
    June 2010
    May 2010

    Categories

    All
    リサーチ
    プロモーション
    コピーライティング
    マーケティングリサーチ
    その他